手作りライデン瓶:中2物理
【概要】
コンデンサーの原型となるライデン瓶を簡単に手作りし、その特性を確かめた。
【実験】
・準備
プラカップ3個、アルミホイル、塩ビ管、軍手、フェルト、リード線赤黒1本ずつ、LED
・操作
1.2つのプラカップの外側にアルミホイルを巻く。※出来るだけ綺麗に巻くと◎。
2.リード線をつなげるためのアルミホイルを2つのプラカップにつける。この時一方のプラカップのアルミホイルを大きくする。
3.何も巻いてないプラカップを1番下、リード線をつなげるためのアルミホイルが小さい方のプラカップを真ん中にして、3個のプラカップを重ねる。
4.アルミホイルの大きい方がマイナス、小さい方がプラスになるようリード線とLEDをつなげる。※どちらかのリード線は電気を放出させないようにLEDから外しておく。
5.軍手をはめて、塩ビ管とフェルトを10回ほどこすり、大きい方のアルミホイルに近づける。
6.5を20回ほど繰り返す。
7.外していたリード線をつなげる。※つなげる前に放電させないように気をつける。
【説明】
1.ライデン瓶とは?
電気を溜める装置で、コンデンサーの原型である。
(Wikipediaより引用)
本物のライデン瓶はガラスと金属箔によって作られているが、金属箔が絶縁体を挟むという構造は手作りライデン瓶も同じであるため、手作りライデン瓶も本物のライデン瓶と同じ働きをする。
2.なぜ電気を溜める?
塩ビ管をアルミホイルに近づけると、塩ビ管に溜まっていた負の電荷は一方のアルミホイルに流れて溜まる。片方のアルミホイルが負に帯電することで絶縁体を挟んだもう片方のアルミホイルには正の電荷が引き寄せられる。これにより電気を溜めることができる。
ここに回路をつなげると負の電荷は正の電荷を求めてリード線を流れていく。負の電荷の流れ=電流であるため、電気が流れ、LEDが点灯する。
※詳しい実験+解説動画は下記URLから
回り続けるハンドスピナー:中2物理
【概要】
リードスイッチとコイルを繋いだ回路と磁石をつけたハンドスピナーを用いて回り続けるハンドスピナーを作成した。
【実験】
・準備
ハンドスピナー、リード線赤2本黒1本、リードスイッチ、磁石3個、単三乾電池2本、乾電池ホルダー、グルーガン、ペットボトルキャップ2個、養生テープ、鉄心(釘など)、エナメル線
・操作
1.鉄心にエナメル線を160回ほど巻き付け、コイルを作る。※リード線を繋ぐ部分のエナメル線を両端に少し出しておく。
2.ハンドスピナーの3つの出っぱりにグルーガンでそれぞれ磁石をつける。磁石はN極が外側になるようにつける。
3.1で作ったコイルと磁石をつけたハンドスピナーをペットボトルキャップの上にそれぞれ固定する。
4.乾電池ボックスとコイルを繋ぐ。※コイルは先端部分がS極となるように繋ぐ。
5.4の回路とリードスイッチ(縦方向)を繋ぐ。
6.残りの回路を繋ぎ、ハンドスピナーをリードスイッチとコイルの真ん中あたりに固定する。
7.コイルを動かし、ハンドスピナーが加速する位置を探す。
【説明】
1.リードスイッチとは
この実験の肝となるのはリードスイッチである。あまり聞き馴染みのないものであるが、リードスイッチの仕組み自体はとても簡単である。
リードスイッチはガラス管の中に2つの金属板が重ならないように配置されている。
ここに磁石を近づけると金属板が重なり回路が繋がる。磁石が離れると、弾性により二つの金属板が離れ、回路が途切れるという仕組みである。
2.回り続ける理由
ハンドスピナーにつけた磁石がリードスイッチに近づくとリードスイッチがオンになり、回路が繋がる。回路が繋がるとコイルが電磁石として働き、ハンドスピナーに近い方のコイルの先端はS極になる。ハンドスピナーにはN極が外側になるように磁石をつけているため、S極のコイル(電磁石)に引き寄せられる。引き寄せられることでハンドスピナーは回転し、リードスイッチから磁石が遠ざかることで回路が途切れる。しかし、ハンドスピナーは惰性によって回転する。そうすると、また磁石がリードスイッチに近づく。
このサイクルによってハンドスピナーが回り続ける。
※詳しい実験・解説動画は下記リンクから↓
ろ紙の花【毛細管現象】:中2生物応用?
【概要】
ろ紙に蛍光ペンで模様を描き、花に見立てたろ紙が開く様子、色が広がる様子を観察した。
【実験】
・準備
ろ紙、蛍光ペン、ペットボトルキャップ、水、ブラックライト(あれば)
・操作
1.ろ紙を四つ折りにし、折り込むように折り、8つのひだをつくる。
2.ろ紙を広げ、蛍光ペンでろ紙の折り目の真ん中あたりに色をつける。
3.ペットボトルキャップに溢れない程度の水を入れる。
4.3のキャップに2のろ紙を開かず閉じたまま差し込む。
5.そのまま5〜10分程待つ。
6.色が広がってきたらキャップからろ紙を取り出し、広げる。
・+αポイント
→花に見立てて画用紙等に絵を描いても良い。
→ブラックライトがあれば、部屋を暗くし、ろ紙にブラックライトを当てて観察してみる。
【説明】
1.毛細管現象とは?
細い管の中で液体が上昇または下降する現象こと。身近な例で言うと、植物の根が水を吸い上げること(これは毛細管現象だけではないですが…)、ティッシュの角を水につけると水が吸い上げられていくことなどが挙げられる。
ろ紙やティッシュの細かい穴も管と同じ働きをするため、液体は吸い上げられていく。この毛細管現象があるからこそ紙に絵の具で絵を描いたり、身の回りのものを拭き取ることができる。
2.教材としての面白さ
ろ紙を折り曲げた状態でペットボトルキャップに差し込むことで時間経過とともにまるで花が咲くようにろ紙が開き、色も広がっていく。
※詳しい実験動画はこちらのURLから↓
紫キャベツでレインボータワー:中3化学
【概要】
紫キャベツの色素を用いて、アルカリ性→酸性のタワーを作成した。
【実験】
・準備
紫キャベツ、布、すりおろし器、メスシリンダー、炭酸ナトリウム、水、塩酸、200mlビーカー、駒込ピペット
・操作
1.紫キャベツを適当な大きさに切り、すりおろし器で擦り下ろす。
2.すりおろした紫キャベツを布等に移し、紫キャベツの汁が出るように絞る。
3.メスシリンダーに炭酸ナトリウムと水を加える。
4.3のメスシリンダーに紫キャベツの汁を入れ、塩酸を加える。
5.メスシリンダーを少し振る。
【説明】
1.紫キャベツ色素の色の変化
紫キャベツ中のアントシアニン色素により、酸性かアルカリ性かなどのpHにより分子構造が変化することで色が変化する。
リトマス試験紙は赤から青、青から赤への変化しかしないため、また、フェノールフタレイン溶液はアルカリ性でしか色が変わらないため、酸かアルカリが細かくは分からない。アントシアニン色素は酸性→アルカリ性へと変わっていく間にさまざまな色になる。そのため、リトマス試験紙より細かく酸かアルカリかの分類が可能である。アントシアニン色素は酸性だと弱酸から強酸になるにつれてピンクから赤色に変化し、アルカリ性だと、弱アルカリ性から強アルカリ性になるにつれて青緑から黄色に変化していく。
2.レインボーになる理由
炭酸ナトリウムを入れ水を加えることでメスシリンダーの下方の炭酸ナトリウムは水和物となり、ゲル状となる。ゲル状になり混ざりにくくなることで、下方ではアルカリ性が保たれ黄色〜青緑色となる。アルカリ性で黄色になるのはイメージしにくいと思うが、珍しいことに紫キャベツ色素ではアルカリ性の強いところで黄色となる。
希塩酸を加えた上方は赤くなるが、塩酸がメスシリンダーの下方に近づくにつれて、炭酸ナトリウム水溶液と混ざることで中和し、真ん中は紫色となる。
見た目が非常に美しく、動画のようにメスシリンダーを用いて色を変えて段にしていくのも面白い視覚教材となる。
※実験動画はこちらから↓
アルミホイルで起き上がりこぼしもどき(アルミ虫くん)
【概要】
重心の移動によって面白い動きをするおもちゃを作成した。起き上がりこぼしに似たおもちゃである。
【実験】
・準備
アルミホイル(10×12cm)、ビー玉、太めのマッキーペン
・操作
1.アルミホイルの10cmのほうを縦にして太めのマッキーペンやスティックのりなどビー玉より少し大きめの直径をもつものにアルミホイルを巻き付けていく。※1〜2cmくらい左側に余裕を持たせる。
2.巻き終えたら左端の余裕を持たせた部分のアルミホイルをぎゅっととめる。
3.マッキーペンをアルミホイルから抜き、アルミホイルの空洞にビー玉を入れる。
4.右端1〜2cmも同じようにぎゅっととめ、先端を少し折り曲げる。
5.4のビー玉入りアルミホイルを手で包み、振る。
【説明】
1.起き上がりこぼし
起き上がりこぼしとは、倒れても起き上がって元に戻るというおもちゃのことである。このおもちゃは、おもりが重力によって高い位置から低い位置に移動するという原理から倒れても起き上がってくるという仕組みである。
2.アルミ虫くんの動き
アルミ虫くんはおもりを定まった位置に固定させずに移動させることによって重心が移動し、動画のような不安定な動きをする。
※講義内で小学2年生の図工で作成したと先生はおっしゃっていました。アルミ虫くんを作り,部屋を作ると児童はアルミ虫くんに愛着が湧き、他の家具を作ったり部屋に工夫を加えたり…となるそうです。
卵レンチンで爆発
【概要】
ゆで卵、液体に入れた生卵を電子レンジにかけると爆発した。
【説明】
黄身の水分が沸騰し、黄身は外部より気圧が高くなり更に沸点が上昇する。黄身が熱により膨張し、体積が増加し、それが外気に触れた瞬間に減圧する。減圧によって沸点が下がることで黄身の水分が一気に蒸発し、水蒸気爆発を起こす。殻付きの卵でも、ゆで卵でも、液体に割り入れた生卵でも同じことが起こり、レンジにかけると爆発する。
爆発のメカニズムは上記に記したように記述されている記事が多い。しかし、水蒸気爆発(水が熱せられて急激に気化し、高温・高圧の水蒸気となることによって引き起こされる現象)であることには間違いはないが、下記リンクの動画では、白身のみが爆発し、黄身は爆発していないことから、爆発の原因が黄身によるものなのかは定かではないと考えられる。
(引用:東京電力エナジーパートナー,くらしのラボ)
このことから、今回実験した液体中の生卵やゆで卵において、白身が黄身より早く加熱され、黄身ではなく白身内で上記のようなメカニズムが起こっているのではないかと推測できる。
電子レンジ内で爆発することが多いが、動画のように電子レンジから取り出して刺激を与えると爆発することもあるため、電子レンジで卵を加熱する際には気をつける必要がある。というかしない方が良い。
わっか紙飛行機(揚力)
【概要】
紙飛行機の別バージョンであるわっかの紙飛行機を作成した。飛ばした際の動きが特殊な面白い教材である。
【実験】
・準備
厚めの折り紙、普通の折り紙、テープ、はさみ
・操作
1.厚めの折り紙を三角に折り、広げて折り線に角を合わせて折る。
2.更に3回折る。
(上の写真は3回折った状態)
3.折った方をリング状にして、テープでとめる。
4.もう一枚の折り紙を幅5cmになるように切る。
5.切った折り紙(はね)をリング状の折り紙に貼り付ける。
・実験のポイント
→リング状にする方の折り紙は厚め(重め)のものを使う。
→リング状にする際に、角の隙間にもう一方の角を差し込むようにする。
→リング状にする際に、綺麗な円になるよう形を整える。
【説明】
1.揚力とは
平らなものが空気の流れに対して角度がある場合、その角度によって空気は上向き又は下向きに流れる。つまり、空気は物体から力を受けて曲がる。物体はその空気の反対向きの力を受けて持ち上がる。この現象を揚力という。
2.わっか紙飛行機の原理
複数回折った部分に重力がかかり、下向きになる。わっか飛行機を飛ばすことでわっかに空気が流れて揚力が働くため、遠くまで飛ぶ。また、わっかの上のひらひらの折り紙も揚力を大きくするためにつけている。
途中階段状に飛んでいたのは、わっか飛行機が飛んでいると揚力が重力に負けて下向きになる→下向きになると空気の入る量が増え、また揚力が大きくなるため上方向に飛ぶ、というサイクルが起るためである。
※参考にしたサイト
→ https://kitteotte.com/mission/5783/
→ https://kitteotte.com/story/5906/
※実験動画は下記のリンクから↓