紫キャベツでレインボータワー:中3化学
【概要】
紫キャベツの色素を用いて、アルカリ性→酸性のタワーを作成した。
【実験】
・準備
紫キャベツ、布、すりおろし器、メスシリンダー、炭酸ナトリウム、水、塩酸、200mlビーカー、駒込ピペット
・操作
1.紫キャベツを適当な大きさに切り、すりおろし器で擦り下ろす。
2.すりおろした紫キャベツを布等に移し、紫キャベツの汁が出るように絞る。
3.メスシリンダーに炭酸ナトリウムと水を加える。
4.3のメスシリンダーに紫キャベツの汁を入れ、塩酸を加える。
5.メスシリンダーを少し振る。
【説明】
1.紫キャベツ色素の色の変化
紫キャベツ中のアントシアニン色素により、酸性かアルカリ性かなどのpHにより分子構造が変化することで色が変化する。
リトマス試験紙は赤から青、青から赤への変化しかしないため、また、フェノールフタレイン溶液はアルカリ性でしか色が変わらないため、酸かアルカリが細かくは分からない。アントシアニン色素は酸性→アルカリ性へと変わっていく間にさまざまな色になる。そのため、リトマス試験紙より細かく酸かアルカリかの分類が可能である。アントシアニン色素は酸性だと弱酸から強酸になるにつれてピンクから赤色に変化し、アルカリ性だと、弱アルカリ性から強アルカリ性になるにつれて青緑から黄色に変化していく。
2.レインボーになる理由
炭酸ナトリウムを入れ水を加えることでメスシリンダーの下方の炭酸ナトリウムは水和物となり、ゲル状となる。ゲル状になり混ざりにくくなることで、下方ではアルカリ性が保たれ黄色〜青緑色となる。アルカリ性で黄色になるのはイメージしにくいと思うが、珍しいことに紫キャベツ色素ではアルカリ性の強いところで黄色となる。
希塩酸を加えた上方は赤くなるが、塩酸がメスシリンダーの下方に近づくにつれて、炭酸ナトリウム水溶液と混ざることで中和し、真ん中は紫色となる。
見た目が非常に美しく、動画のようにメスシリンダーを用いて色を変えて段にしていくのも面白い視覚教材となる。
※実験動画はこちらから↓