時間の止まったスノードーム
【概要】
PVAのりを用いてスノードームを作成した。
【実験】
・用意
空き瓶、洗濯糊(pva入り)、ラメパウダー、人形、スポンジ、ハサミ、カッター、マッキー、グルーガン、ボンド(水性可)
・操作
1.瓶の蓋を外し、瓶の口をスポンジに型取り、スポンジを切る。
2.瓶の蓋に切ったスポンジをボンドで貼り付ける。※時間があれば少し放置してしっかりと固定させる。
3.スポンジの上に人形をグルーガンでつける。
4.瓶の中に洗濯糊とラメを入れる。
5.瓶の蓋を閉める。
・留意点
→瓶の口で型取る。
→乾燥時間の確保(ドライヤーでも可)
→PVAのりは薄めずそのまま使用する。
→台座はスポンジを推奨(気泡が出来て水中のようになる)
【説明】
・時間の止まるスノードーム
PVAのりを薄めずに使うことで、瓶内のラメの動きがかなり制限されるため、まるで時間を切り取ったようなスノードームとなる。
・PVAとは
PVA(ポリビニルアルコール)とは、エチレンに水分子が重合したビニルアルコールのポリマー(重合体)であり、化学式[CH2-CH(OH)]nで表される。しかし、理論上は上記に示した通りであるが、ビニルアルコールは不安定でおるため、実際には、ポリビニルアルコールは酢酸ビニルの重合体であるポリ酢酸ビニルを鹸化して得ている。水溶性プラスチック、合成樹脂の一種であり合成繊維であるビニロンなどにも使用されている。
・スノードーム豆知識
日本ではスノードームと呼ばれるが、英語圏ではスノーグローブと呼ばれるらしい。
実験解説動画はこちらから↓
踊るグミ:中3化学
【概要】
炭酸水素ナトリウムに漬けたグミをクエン酸水溶液に入れることで二酸化炭素を発生させ、グミが浮き沈みする様子を観察した。
【実験】
→具体的な操作方法については、以下の記事を引用。《一部加筆有》
----以下引用-----
グミが浮き沈みする?! ~Let’s Dance!踊るグミ達~
・準備物
グミ(表面にコーティングがなく球状のものが望ましい。今回はコグミを使用)、炭酸水素ナトリウム(重曹)適量、ビーカー、メスシリンダー、水、砂糖、クエン酸、薬さじ
・操作手順
1.グミを、ビーカーに入った炭酸水素ナトリウム水溶液に一日浸けておく。(※実験日の前日に準備しておくこと)
2.メスシリンダーに、クエン酸を溶かした水を入れておく。(※後に濃度調整で砂糖水を加えるので、水は8割程度までに抑えておくとよい。)
3.炭酸水素ナトリウム水を吸ったグミを薬さじですくいだし、メスシリンダー内に投入する。その後の様子を観察する。
4.浮いてこない場合は、砂糖を多量に溶かした水を加えてみる。(※砂糖を大量に溶かした、高濃度の砂糖水を用意しておく)
5.浮いたまま落ちてこない場合は、メスシリンダーを軽く振って泡を落とす。
----引用終わり----
【説明】
1.原理
クエン酸はカルボン酸の一種であり、炭酸よりも強い酸である。そのため、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の反応によって弱酸(炭酸)が遊離する。遊離するのは炭酸であるが、二酸化炭素は水に対する溶解度が低いために溶けきらなかった二酸化炭素が気体(ガス)となって発生する。
C(OH)(CH₂COOH)₂COOH + 3NaHCO₃ → C(OH)(CH₂COONa)₂COONa + 3H₂CO₃
発生した炭酸ガスがグミの表面にまとわりつき、グミの体積を大きくすることでグミの密度は小さくなり、重力<浮力となるためグミは浮かぶ。逆に、刺激を与えてグミについている炭酸ガスをとることでグミの密度はもとに戻り、沈んでいく。時間が経過するとまたグミ表面に炭酸ガスがつく…という繰り返しでグミが浮かんだり沈んだりする。
2.砂糖水の役割
砂糖はクエン酸と炭酸水素ナトリウムの反応に影響はないため、純粋にメスシリンダー内の水溶液の密度を大きくしてくれる。密度が大きくなることでグミは浮かび易くなる。
※実験動画は下記リンクから
虹色のチョコレート:中2物理
【概要】
分光シートの凹凸をチョコレートに写し、虹色のチョコを作成した。
【実験】
・用意
分光シート、ブラックチョコレート、マグカップ、スプーン、センサー付き温度計、湯煎道具(鍋やフライパン等)、温度計、氷水
・操作(テンパリングver.)
1.マグカップにブラックチョコレート一枚分を割り入れる。
2.鍋に火をかけ、水温が60度になったらチョコレートを湯煎する。
3.チョコレートの温度が50度を超えないようにセンサー付き温度計で温度を確認しながらチョコレートを溶かす。
4.チョコレートが溶けきったら、マグカップを氷水に移しチョコレートの温度を26度まで下げる。
5.チョコレートの温度を31〜32度まで上げる。
6.分光シートにチョコレートを流す。※分光シートは裏表があるため注意!
7.粗熱をとり、冷蔵庫で30分ほど冷やす。
8.分光シートからチョコレートを剥がす。
・留意点
→取り出す時剥がすようにする
→ブラックチョコ推奨
→マグカップやスプーン、分光シートは充分に水気をとっておく
【説明】
1.虹色に光る原理
分光シートに溶かしたチョコレートを乗せて固めることで凹凸がチョコレートに写りチョコレートが構造色となる。
ブラックチョコレートを推奨するのは、チョコレートの色が暗い方が構造色を観察しやすいためである。テンパリングをしなくても虹色のチョコレートは作ることが出来る。しかし、テンパリングを行うと口溶けが大きく変わりチョコレートが美味しくなるため最終的に食べるのならばテンパリングをすることをおすすめする。
2.テンパリング
テンパリングとは温度調節法のことである。
チョコレートの主成分はカカオ脂(カカオバター)であり、温度が変化するとカカオ脂の結晶形が変化する。チョコレートの結晶形はI〜Ⅵ型まであるが、市販に販売されているチョコレートはⅤ型の結晶構造をしている。
テンパリングによる結晶形の変化として、まず溶けたチョコレートをⅣ型の融点(約27℃)以下である25〜26℃まで温度を下げてⅣ型に結晶化させる。そこから、Ⅳ型の融点以上、Ⅴ型の融点(約33℃)以下である30℃程度まで温度を上げ、Ⅳ型の結晶の融解とⅤ型の結晶化を促す。そうすることでⅤ型の結晶形となり、口溶けの良いチョコレートとなる。
マーブルでマーブリング!
色はなかなか混ざらないことを演示する実験である。もちろん、マーブルチョコにしろ粘土にしろ最終的には混ざり合う。しかし、色が混ざるには十分な操作を行わなければならないことから、色は簡単には混ざらないということが言える。また、簡単には混ざり合わないという点で、例えばアクアフレッシュなどの歯磨き粉や地層なども広義的な意味ではマーブリングの一種といえるのではないだろうか。
詳しい操作手順、説明はこちらのブログから↓
【自由研究向け】パイナップルでタンパク質分解:中2理科
【概要】
生のパイナップルと缶詰のパイナップルをそれぞれ加熱、冷凍、そのままの状態にし、ゼラチンに乗せたときの様子を観察した。
【実験】
・準備
ゼラチン5g、水(お湯)250ml、パイナップル(生のもの)、パイナップルの缶詰、サランラップ、タッパー、耐熱皿
・操作
1.ゼラチンを作成する。※タッパーなど表面が平べったくなるものに入れて固めると良い
2.パイナップル生とパイナップル缶詰をそれぞれ冷凍し、解凍して常温になるようにしておく。
3.パイナップル生とパイナップル缶詰をそれぞれ耐熱容器に水と一緒にいれて加熱し、常温になるまで熱を冷ます。
4.固めたゼラチンを6等分に切り、その上に何もしていないパイナップル生とパイナップル缶詰、冷凍したパイナップル生とパイナップル缶詰、加熱したパイナップル生とパイナップル缶詰をそれぞれ置く。※どれがどのパイナップルなのか分かるように印や紙などを置いておくとわかりやすい。
5.時間を置き、それぞれの様子を見る。
・留意点
→2の冷凍の過程と1のゼラチンを固める過程に時間がかかるため、先に終えておく。
→5での時間は6時間程度置いておくとより結果が分かりやすくなるため、長時間置いておける場所を確保すると良い。
【自由研究向け説明】
1.タンパク質分解酵素がなくなる過程
パイナップルをゼリーに使うとゼリーが上手く固まらないという話を誰しもが聞いたはあるのではないだろうか。しかし、缶詰のパイナップルをゼリーに使うと、問題なく固まる。缶詰のパイナップルの作成過程において、加熱し冷却する場面がある。今回の実験では、加熱したパイナップルと冷凍したパイナップルと何もしていないパイナップルをゼラチンに乗せた際のそれぞれの様子を対照実験として観察することで缶詰のパイナップルが作られるどの過程においてタンパク質分解酵素が失われているのかを調べている。
2.自由研究として行う際のポイント
・パイナップルをゼラチンに載せてからは長い時間での観察が必要となるため、1時間ごとに写真を撮って記録する、または、タイムラプスを使って早送りの動画として記録することを推奨する。
・ゼラチンの様子やゼラチンの周りの様子をよく観察すると良い。
・自由研究として行う際には必ず自分の考察や付随する疑問(他のタンパク質分解酵素を持つ果物はどうなのか?など)を最後にまとめると良い。
※パイナップルのタンパク質分解酵素についての詳しい説明はこちらのブログから
※実験動画はこちらから
静電気で蛍光灯を光らせる:中2理科物理
【概要】
静電気を用いて蛍光灯を光らせた。
【実験】
・準備
塩ビ管、ティッシュ、軍手(なくても可)、蛍光灯
・操作
1.塩ビ管をティッシュで10〜20回ほどこする。
2.蛍光灯の電源部分に近づける。
【説明】
1.なぜ光る?
塩ビ管に帯電した負の電荷(電子)が蛍光灯に近づけることで蛍光灯内に流れる。そうすると負の電荷は蛍光灯内の水銀と衝突し、水銀が励起状態(エネルギーの大きい状態)となる。励起状態は非常に不安定なため、水銀は励起した分のエネルギーを紫外線として放出する。蛍光灯には内側に蛍光物質が塗られており、放出された紫外線が蛍光物質に当たることで光を放つ。
2.帯電列
静電気シリーズ第1.2弾(アルミ缶カン、ライデン瓶)でも言えることだが、物質には帯電列というものがある。
この表から塩ビ管のは負に帯電することが分かる。
そのため、これまでの実験において、負の電荷を帯電する塩ビ管を用いてきた。
消費電力の大小:中2物理
【概要】
コンデンサーを用いて条件を同じにすることで、各電球の消費電力を調べた。
【実験】
・準備
手回し発電機、コンデンサー、豆電球、LED、リード線赤黒1本ずつ
・操作
1.コンデンサーと手回し発電機をつなぐ。
2.手回し発電機を30回回す。
3.コンデンサーと豆電球をリード線でつなげる。
4.豆電球が消えた時点でコンデンサーと豆電球をつなぐリード線を外す。
5.2〜4の豆電球をLEDに変えてもう一度行う。
・観察のポイント
→豆電球とLED、それぞれ同じ条件で溜めた電気を放出した時の光り方や光の持続時間に注目する。
→光っている豆電球とLEDを触ってみて違いを見つける。
【説明】
1.消費電力とは?
単位時間あたりに使われる電力(W)のこと。基本的にはワット時(W・h)で表される。
2.LEDの消費電力が小さい理由
消費電力を考える際に、重要な要素が"発光効率"である。発光効率というのは、電力に対して光源から発する全光束(単位時間あたりの光の量)の効率を評価する指標のことで、この発光効率の数値が高いほど消費電力が小さい。LEDは発光効率の数値が高く、豆電球と比べると消費電力が大幅に小さいと言える。
また、豆電球とLEDのどちらも同じくらいの明るさになるが、豆電球は熱エネルギーとして変換される割合が大きいため、光るためだけに使うエネルギーが少ないことから光る時間が短いことが分かる。
※実験動画は下記リンクから