アルミカンカン(静電気の実験)
【概要】
中学2年生の静電気の分野において、電気には+と-の種類があること、物体が片方の電気を帯びることを帯電ということを学ぶ。静電気の性質を視覚的にとらえやすい実験を行った。箔検電器の応用版である。
【実験】
・準備
軍手、ティッシュ、発泡スチロール、塩ビパイプ、アルミホイル、アルミ缶2個、輪ゴム、紙ヤスリ
・操作
1.ストローに輪ゴムをつけ、アルミホイルを巻き、アルミホイルを玉にする。
2.紙やすりでアルミ缶の表面を削る。
3.アルミ缶を発泡スチロールの上に置いて、プルタブにストローを通す。
4.軍手をはめて塩ビパイプを15〜20回ほど擦る。
5.4の塩ビパイプをアルミ缶の片方に近づける。
・留意点
→アルミホイル玉の当たるところと静電気を流すところのアルミ缶の表面を削る。
→アルミホイル玉を吊るす糸は絶縁のもの(輪ゴムや釣り糸など)にする。
→アルミ缶を置く下の部分は発泡スチロール(絶縁物質)にする。※発泡スチロール以外だと時間がかかる。
→アルミ缶とアルミホイル玉の距離を短くする。
【説明】
1.アルミホイル玉が動く仕組み
アルミ玉とアルミ缶は最初、正にも負にも帯電していない。塩ビパイプとティッシュを擦ることで塩ビパイプは負に帯電する。その塩ビパイプをアルミ缶の片方に近づけることでアルミ缶に電気的な偏りが生じる(図の①の状態)。
アルミ玉の正の電気によって、アルミ玉が片方のアルミ缶に寄せられ、接触する。接触すると、アルミ缶内の負の電気がアルミ玉に流れ、アルミ玉は負に帯電する。(図の②の状態)。
アルミ缶自体も負に帯電しているため、アルミ玉とアルミ缶は離れる。もう片方のアルミ缶に接触することでアルミ玉の負の電気がアルミ缶に流れる。(図の③の状態)。
そうするとアルミ玉の電気的な偏りが無くなり、また最初のアルミ缶に吸い寄せられる。という繰り返しによって、アルミ玉がアルミ缶の間を移動している。塩ビパイプを離したときには正と負が入れ替わっただけで、同じ現象が起こっている。
※実験動画は下記のリンクから