【概要】
バナナからDNAを抽出した。
【実験】
・準備物
バナナ10g エタノール20ml 洗剤水薬さじ1杯分 食塩2g 水20ml 100mlビーカー×2 50mlビーカー×2 ガラス棒 薬さじ ろ紙 竹串 ペーパーフィルター
・操作
1.食塩を薬包紙に2gはかりとる。
2.100mlビーカーに20ml、水を入れ、食塩を入れてよく振り混ぜる。
3.バナナを薬さじですり潰す。※塊がなくなるくらいよく混ぜる。
4.3のビーカーの中に食塩水をいれ、しずかにかき混ぜる。
5.空いている50mlビーカーにドリップの紙をセットする。
6.5にバナナ食塩水を少しずつ入れ、ろ過する。
7.ろ過した液体が溜まったら、薬さじ1杯分の洗剤をいれ、しずかにかき混ぜる。
8.7の液体にエタノールを、ガラス棒をつたわせてそーっと注ぐ。
9.エタノールの層に白いモヤモヤが現れたら、竹串でモヤモヤを巻き取る。
10.白いモヤモヤをろ紙の上にのせる。
【説明】
1.食塩水を加える理由
DNAはヒストンによって折りたたまれて核内に収納されている。ヒストンは正の電荷を持つのに対し、DNAに含まれるリン酸は負の電荷を持つため安定して複合体を形成する。NaClを水に溶かすとNa⁺とCl⁻に電離する。電離したNa⁺がリン酸と結合、Cl⁻が残りのNa⁺やH⁺と結合するとことで、塩となったNa⁺がリン酸が互いに反発せず、DNAが集まりやすくなる。
2.洗剤水を加える理由
細胞には細胞膜や核膜などが存在している。洗剤には界面活性剤が含まれており、これらの膜の主成分であるリン脂質を破壊することができる。※細胞壁は最初に粉々にしたときに壊れている。
3.エタノールを加える理由
エタノールは非水溶性であり、DNAは水溶性である。そのため、DNAを含む溶液がエタノールの層に触れるとDNAはエタノールの層に析出する。
【やってみて】
・DNAは二重らせん構造だという意識が強く、析出したDNAを見ても生徒は???という反応であった。実験前に「DNAをたくさん集めて目に見える形で取り出しているんだよ」といった前置きを丁寧にするべきだった。
・後片付け込みで40分くらいで終わる内容なので、早く終わった生徒にはDNAに関する問題を出すなど、時間を有効に使えるようにするべきだった。
【先生用】
・トレーに「バナナ10gの入った50mlビーカー、100mlビーカーに入れた洗剤水、100mlビーカー、50mlビーカー、ガラス棒、薬さじ、ろ紙、竹串、ペーパーフィルター」を用意しておく。
・エタノール20mlは試験管に入れてとりにこさせる。
・時間があれば、生徒の取り出したDNAをドライヤーなどで乾燥させ、酢酸オルセイン溶液で染める。※私は次の時間に酢酸オルセイン溶液で染めたDNAを見せました。
・上手くDNAを取り出せた班の例↓